休校DAY2 軍資金確保
とりあえず、あまりない時間を工面して、子どもの休校で生活が一変した翻訳者の叫びを滋賀県奥地からお届けし続けようと思います(続く限り)。
おはずかしい話だが、昨日、細々と貯めていた秘密預金を引き出してきた。休学になり、中学生男子二名が朝から晩まで家で食べることの恐ろしさをじわじわと感じはじめたため、軍資金をとりあえず確保してきたというわけだ。すべてカードで払ってもよかったのだけれど、おこづかいを求められたとき、「コンビニで何か買ってきて!」「パン屋に行きなさい!」とお使いを頼むときに必要だし、中学生との生活は突然の現金が必要になる場面が多い。お財布の中には千円しかなかったし、邪魔にはならないだろうと引き出してきた。たった2万円ですけど。
実は去年の年末、私史上かつてないほどのピンチに見舞われ(二年前の弁膜症もピンチだったけど)、そのため、預金が空っぽになるほどのお金が飛ぶように出て行った。私が必死に働いて稼いだ分が、一瞬にして消えた。そのダメージから完全に立ち直れていない私の口座は、この休校騒ぎで再びダメージを負った状態だ。しかし、そんなことでもなければ、この状況では朝から晩まで働くことはできないよなあ……(つらい)。
結局昨日は、ヨレヨレになりつつ仕事をしていた私を見た長男がリビングにやってきて、「宿題やるわ」と言いつつ、塾の宿題をやりはじめた。長男は静かな子で、おまけに大変律儀なので、決まった時間に決まったことを決まった分だけ淡々とやることができる。その姿を、耳にイヤホンを突っ込んで、今の僕にはなにができるの? と大声で歌っていた次男が見て(勉強だろ)、「俺も宿題やるわ」と言いだした。えっ、いま、私、奇跡を目撃してる?
私はたぶん、何か勘違いをしていたのだと思う。私は自分が子どもに対して、何かできるのだと思っていた(この休学期間においても)。私が動くことで、彼らも動き、私が学ぶことで、彼らは学び、私が信じることで、彼らも信じるのだと思っていた。きっと、両目にハートを浮かべながらそう考えていたのだと思う。
でも、私には絶対に消えない記憶がある。13歳の自分が、学校の廊下で手を洗いながら、前にあった鏡に映った自分の顔を見ていた記憶だ。私は自分の顔を見つめながら、私はこのままで、大人になっても絶対に変わることはないと確信した。もしかしたら14歳の時だったかな。中二だったような気がする。その瞬間、私は両親から遠く離れた場所まで自分が飛んで行ったような気がしたのだ。
そしてその瞬間から、私は本当に変わっていない。あの頃のままだ。あの時から、私は親の言うことに耳を傾けながらも、自分を曲げることはなかったような気がする。親に頼りながらも、最後の最後は譲ることがなかったような気がする。目をつぶってあの頃の自分に戻って、そして改めて、私が彼らにしてあげられることは、そう多くはないだろうと確信した(安心できる生活を提供する以外で)。彼らが私のあのポイントをすでに過ぎていれば、なおさらそうだろう。
休校のことだけ考えればよかったはずなのに、いつの間にかもっと広いことまで考えるフェーズに入ってしまった。そんなことをしている時間はない。やること山積。今日もがんばる。
昨日の仕事:念校チェック、訳校チェック
昨夜の夕食:マクドナルド