今日、次男にはじめて、本を買って欲しいと頼まれた。今まで本屋に何度連れて行ったかわからない。本だったらいくらでも買ってあげるからと言い続けたのに、今まですっかり無視されていたが、『あまちゃん』がきっかけとなって、ついにそのひと言が出たのだ。
「あまちゃんの本を買って」 *° 。*:゜☆ヽ(*’∀’*)/☆゜:。*。 *:.。☆.パァァァァァァ
結局、若い人、というか中学生を動かすのは恋なんだなと再確認した。私も、ドラマで見た俳優が好きで雑誌を買ったし、小説の主人公が好きになって、シリーズものの小説を読破したりしたものだった。本のなかの人なのに、確実に恋してたもんね(長谷川平蔵ね。鬼平マイラブ。それから大岡越前の大岡忠相マイラブ。それから榊原伊織を演じた竹脇無我さんは太秦映画村のトークショーで見て、二週間ほどヨレヨレになりました。美し過ぎる無我。名前からして最高。『無我』)。結局、あまちゃんの公式ファンブックと、のんさんの写真集を買った。そして息子たちは『あまちゃん』二周目に入り、二周目だからこそわかる伏線をひとつひとつ確認していた。まあ、がんばってくれたまえ。好きになった作品はとことん好きになって欲しい。
今日は、新刊『兄の終い』の見本が届いた。とても素敵な装丁にしていただいて感謝。本っていろいろな人の助けを得て、ようやく一冊になる。だからこそ、できあがってくると感動する。内容が暗いのではと思われるかもしれないけれど、そうではないと自分では思っている。私と、兄の元妻加奈子ちゃんが、塩釜、多賀城を移動しながら、次々と難問をクリアしていった話だ。5日間という短い時間で、兄が残したすべてをどうにかして片付けた。そして、私と加奈子ちゃんは、超がつくほど仲良しになった(もしかしたら私がそう思っているだけかもしれないけど)。





人間が突然死ぬとどうなるのかということを、延々と考えている。加奈子ちゃんもそうらしい。
突然死ぬと、物が残る。食べ物が残る。ごみが残る。メモが残る。その残ったものから、すべてが見えてくる。料理していた姿、酔っ払って寝ていた姿、たばこを吸っていた姿、怒っていた姿。そしてなにより、倒れている姿。そんな兄の息づかいがわかるすべてを、ほんのわずかだけ残して、私がすべて処分してきた。まさかそんな役目が回ってくるとは夢にも思わなかったが、それが私でよかったと今になっては思う。
昨夜の晩ご飯:そうめん。めっちゃ寒かった。