休校DAY 41-42+兄の終い補稿

休校42日目。朝から冷たい雨。私が住む地域は寒冷地で毎年4月末までストーブを使うが、今日も本当に寒くて朝からストーブはフル稼働している。雨だから外に出るのも面倒で、いや、晴れでも今は外に出るべきではないのだが、息子たちと家にじっと籠もっている。もちろん、犬も一緒だ。

 朝起きてすぐにゲームをやる息子たちを見るのにも慣れた。一旦与えたものを完全に取り上げることもできず(ゲームだけが悪者であるわけもなく)、親にできるのは、iPadの使用時間を決めて、なんとかそれを守るよう説得するぐらいである。毎日がせめぎ合い。毎日が消耗戦。泣きたい。

 子どもというのは、親が手を離せないような状況のときに限ってピンチに陥り、絶対に集中したいときに限って、親の関心を自分へ集めようとする生きものだ。例えばうちの次男なんて、私が電話で仕事の話をしているときに限って話しかけてくる。それは、私の集中が100%他にある状態のとき、私に対して言いにくいこと、頼みにくいことを投げかけ、追い払われるようにして承認を得ようとする行為だ。やめてくれよ。

 そして長男は、私が完璧に集中している時に限って、冷蔵庫を開けて、じーっと中を見る。じーっとして、何も手に取らない。お腹がすいたの? と聞くと、ビクッと反応し、いや、別に……と、逃げてしまう。食べるものぐらい勝手に持って行きなよ……と呆れると同時に、何か出してやらなくちゃと席を立つことになる。一旦途切れた集中は、しばらく戻ってこない。どれだけ戻ってこないかというと、確定申告の還付金ぐらいなかなか戻ってこない。

 ちょうどよい子育てがしたい。心穏やかに暮らしたい。うちはどうにも、いろいろなことが振り切れている。激し過ぎるのだ。

 さて、新刊『兄の終い』ですが、出版後、様々なことが起きて、びっくりするしかない状況だ。

 昨日、多賀城市にあるファソン・ドゥ・ドイさんから荷物が届いたのだ。知ってる人は知っている超有名店だが、実は、『兄の終い』のなかで、登場人物である加奈子ちゃん、私、そして良一君の3人で訪れている場所だ。えええ! どうしたんだろうと思い、袋を開けると、ケーキ(たっぷり)と焼き菓子(たっぷり)、そしてお手紙が入っていた。ドキドキしながら手紙を読んだ。『兄の終い』を読んで下さったらしい。お店の名前が出てきたからびっくりして、従業員のみなさんで大騒ぎになったらしい。そして、良一君におみやげを手渡してくれたご主人が、何冊も購入して配って下さったそうだ(市長さんにも!!)。本当にありがとうございます。心から感謝しております。こんなことが起きるとは、夢にも思っていなかった。次に多賀城に行くときは、必ずお礼にうかがいます。

 すぐに加奈子ちゃんに報告した。加奈子ちゃんも大喜びの展開だった。え~! あのお店が~! としばし盛り上がった。そして、誕生日を迎えた良一君の写真を送ってくれた。大勢の家族に囲まれた良一君が、バースデーボーイらしく、派手な飾りのついた帽子や眼鏡をかけて(HAPPY BIRTHDAYというプレートがついていた)、マカロンの乗ったかわいい誕生日ケーキに両手を添えて、はにかんで笑っていた。後ろに、お姉ちゃんが立っているのが見えた。別の写真には、おじいちゃんと、良一くんと、テーブルの上に乗った豪華な料理(たぶん手巻き寿司)が写っていた。加奈子ちゃんだと思うけれど、良一君の前に置かれた大きなグラスにコーラをたっぷり注いでいる女性の手も写っていた。良一君はずいぶん成長していた。そんな写真を見て、児童相談所の職員さんが良一君に言ってくれた言葉を思い出した。

 きみのことを、とても大事に思ってくれている人がこんなにたくさんいる。だから心配しなくていいんだよ。

 ハッピーバースデイ、良一君。またいつか会おう。

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