休校58日目。もう少しで2ヶ月。
今日はとても天気がよい日で、朝、少し仕事をしていたのだがどうにも作業が進まず、庭の汚れが気になっていたこともあって、自慢のマキタをフル稼働させて庭の手入れをした。2時間ぐらい作業して部屋に戻ると、長男が「お風呂沸かしておいたよ」と言った。庭の手入れをはじめる前、夕べの水を抜いて、洗浄剤を吹き付けておいたのだ。庭の作業が終わったら、自分で洗って、お湯を入れようと思っていた。
「浴槽、ちゃんと洗ってから入れたの?」と聞きかけたが、ぐっと飲み込んだ。そんなことを聞いてどうするのだ。洗わず、洗剤がついたままの浴槽に湯を満たしたとしても、長男が湯を満たしたことに変わりはないじゃないか。なぜそこを問いかけようとするのだ、私は。バカじゃないだろうか。
ギリギリセーフで何も言わず、「へえ、お風呂沸かしてくれたの、ありがとう!」と言って長男を見ると、誇らしげな顔をしていた。
休校が始まって2ヶ月、言いたいこと、聞きたいことの9割ぐらいを我慢すると、子どもと揉めないことにようやく気づいた。
息子たちの親切な行いから、あるいは勇気ある行いから、何が何でも減点しようとするその姿勢、ほんと最低だからなと自分に言い聞かせた。手放しに褒められないのはなぜ? 黙って最後まで聞けないのはなぜ? 嫌がらせのレベルでダメな対応をするな、私は……。
夕方、次男がマイケル・モーパーゴの『世界で一番の贈りもの』を読んでいた。兵士同士が無人地帯に出てくる場面で、次男は「あー、こういうのつらいなあ。もう読みたくなくなってきた」と言った。私は背後から聞こえてくるその声を、キッチンで皿を洗いながら耳にして、密かに感動していた。本を開いて、文字を追って、「状況を想像するとつらいから、もう読みたくない」という感情。大事ですから、それ!!!! めっちゃ大事ですから、たぶん!!!
皿を急いで洗って、次男と座り、カレーせんべいを食べながら、「かあさんって教科書載ったことある?」「あるわけないじゃん」とか、そんな話をした。
休校は、最低でもあと1ヶ月は続くようだ。仕事が溜まってきてしまった。どうしたらいいのだ。わけがわからなくなってしまいそうだ。こんなカオスになるなんて想像もしていなかったけれど、カオスや逆境には慣れているはずだ(なにせ兄を終ったばかり)。こんなことで負けてはいられない。今だからこそ、やることはやらないとな。
ゆうべ晩ご飯:カツ丼