休校DAY 11

休校DAY 11
 子どもたちが外に出はじめた。うちの子たちは粘り強くインドア派を貫いてはいるが、わが家の前に、中学生や高校生が集結するようになった(集まりやすい場所なのだ)。今日は、中学生の女の子たち何人も集まってバトミントンをしていた。ハリーを見かけると、みんなが「ハリー!」と声をかけてくれる。ハリーは、庭から出て呼ばれた方に走って行きたいが、私に睨まれているため、頭と耳を下げて、尻尾を振って、その声に応えていた。

 近所の高校生はフェンシング部らしいのだが、部活のメンバーで集まって練習していた。ニコニコ笑いながら、アスファルトの道路に座って話をしている姿を見て、うれしくなった。ああなんだろうこの気持ち、青春っていいな、なんだか素敵だなと思った。この前まで小学生だったけど、大きくなったなあと、よその家の子なのにその成長がうれしかった。

 私は今日、三ヶ月に一度の定期検診で病院に行ったのだが(先日行ったのは滋賀医科大学医学部附属病院心臓血管外科。手術した病院ですね)、病院がガラガラで驚いた。全然待つこともなく、すっと採血、あっさり心電図、気づいたらレントゲンだ。先日行った滋賀医科大学で心エコー検査したばかりで、体調がいいことはわかっているのだが、今日はまさかまさかの不整脈が出ていて、どんより。心配するようなことではないですよと先生は言っていたし、それはわかっているけれど、絶対に絶対に疲れているはずである!!! と私は思った。こんなことに振り回されるのはごめんなんだよ! って思った。だから、今日から睡眠は死守だ。絶対にだ。

 ひとつ、とてもうれしいことがあった。カズオさんと再会したことだ。待合に座ってぼんやりしていたら、私の前に主治医の診察室に呼ばれた紳士がいて、その後ろ姿ですぐにわかった。スーツにトレンチコート姿のカズオさんだった。本日も大変奥ゆかしいお姿だった。カズオさんは私のことなんて覚えていないし、まさか私にいろいろ書かれていたことも知らないだろうけれど、お元気でなによりです。うれしかった。同じ病棟に入院した人なんてごまんといるだろうに、私は同志との再会率が高いなあと思う。滋賀医科大学付属病院では、一緒にリハビリをした女性に一年前に再会している。「ようやく会えた」という気持ちより、「また会えましたね」が大事だ。そして、「また元気で会いましょう」なのだ。この、うれしいようで、同時に心を絞られるような切なさは、いかんともしがたい感情だ。人生はハードモードです。

 薬をもらって家に戻ると、息子たちはすでに宿題を済ませ、『あまちゃん』もしっかり視聴済みだった。しかし息子たちは東京編があまり好きではないらしい。あの、おばちゃんたちがいて、アキちゃん、ユイちゃん、夏ばっぱ、大吉さんたちがいる、あそこが好きなんだ……ということだったけれど、一度離れないとその場所の良さってわからないものなんだよと私は思った。そう息子たちに言っても、理解してはもらえないだろうけど。

昨日の夕ご飯:焼きそば+長芋焼き(すりおろした長芋に卵と葱を混ぜて、ごま油でカリカリに焼いたもの。食べる直前に醤油と鰹節)

休校DAY 10

休校DAY 10

 もう10日も経ったか……。今日も厳しい一日じゃった。この先20日以上休みって考えると気が遠くなるけど、どこのご家庭でもこんな感じでダラダラと一日が過ぎていっているのだろうか。

 今日は朝の10時頃からしっかり『あまちゃん』を見はじめ、ずっと見ている(いま、これを書いている私の後ろで見ている)。アキがいいか、ユイがいいかで迷いに迷っているが、結局、人間性を重視して夏ばっぱが一番好きらしい。夏ばっぱが大漁旗を振って東京に向かうアキを見送るシーンで泣いていた。あの海岸に行ってみたい、あの海を見てみたい。そんな気持ちになっていたようだ。ふと気づいたが、今日は二人ともゲームをしていない。

 別にゲームが悪いって訳じゃないんだけど、あれだけ時間を決めてやれと言い続け、しかしそれができず、私との間で冷戦勃発だったゲームをあっさり手放したきっかけとなったのがドラマだというのは少し注目すべきことではとひとりで考えている。つまり、中学生(というか、子ども)っていうのは、ぐぐっと入り込む生きものなんですね、ひとつのことに。いや、これだけ入り込むことができるんですね、彼らは。そんなことできないと思っていた。ゲームだけが彼らを引きつける特別な存在なのかと思っていた。でも、たぶん違う。なにかそこにヒントが隠されているような気がする!

 没頭できるものを私が見つけてあげることは出来ないし、彼らもそんなことは望まないだろうが、せめて邪魔はしないでおこうと静かに考えた次第。最近、こんなことを考えてばかりだ。体力を使う育児は終わったが、今度は考えてばかりだ。そして去年ぐらいからひしひしと感じているが、十代の子どもはお金がかかる。

 明日はもう金曜日だ。::.。.:(´∀`):.。.:*: パァァァァァァァ
ああ、今週も長かった。すごく疲れたよ、パトラッシュ。もう今日は寝たい。

昨日のゆうごはん:オムライス+ナポリタン(冷凍)

休校DAY 9

休校DAY 9
 去年の年末、塩釜、多賀城のあたりを移動しまくっていたために、例年とは少し違う気分で迎えた3月11日。仙台港の近くを車で走っていたときのことを思い出していたら、近所の小学生Tくんがまたもやピンポンを鳴らしてきた。早い。小学生の朝は早いのか。

 「申し訳ないねえ、まだ中学生たちは起きてないよ。また後から来てくれます?」と言うと、あきらかにがっかりした顔で「あ、ハイ、わかりました……」と言い、去って行った。気の毒過ぎる。少ししてから起きてきた長男に「Tくん、来たよ」と言うと、「ふうん」とあまり興味もなさそうだった。次男に「Tくん来たよ」と言うと、「あいつ、ヒマなんかな~」と言う。日本全国でTくんのように暇な小学生が発生していると思われる。

 今日も三人と一匹で『あまちゃん』を鑑賞。アキの母演じる小泉今日子さんが、アキに松田聖子ちゃんがアイドルだった時代を語るシーン。「聖子ちゃんってそんなにすごいアイドルやったん?」と聞く次男に、「聖子ちゃんももちろんすごかったけど、このアキのお母さん自体が、実際にスーパーアイドルだったんだよ!」と言うと、へー! と言いつつyoutubeで検索して、さっそく動画を探し当てていた。『なんてったってアイドル』だった。

 ドラマの中でアイドルを語るアキの母と、その母が実際にアイドルだった時代の映像が重なる瞬間。このドラマ、何度見ても最高だなと思った。一時間ほどで鑑賞終了。

 ランチのとき次男と長男が、俺たちは地震の日のことをしっかり覚えていると言っていた。なぜかいつもより早く保育園に迎えに来た私に、車の中で、一体何があったのかしつこく聞くと、運転している私が真っ青な顔で「うるさい! ちょっと黙って!」と怒鳴ったそうだ。なんとなく覚えているし、確かに怒鳴ったのだろうと思う。それほど、混乱していたのだ、あの日は。私だけじゃなくて、たぶん日本中が。

 休校9日目になって、そろそろ私も疲れてきた。静かな時間が欲しい。子どもたちが家にいることは、中学生ということもあってそこまで体力的に消耗するものではないが、何度も書いたように、何もせずにいる子どもたちを見ると心配になるし、ひっきりなしに料理しなければならないことで、仕事が中断されてストレスがたまる。昨日は病院に行ったこともあって、体力を奪われた。年を取るということは、フル充電してもすぐに空になるケータイのバッテリーみたいな体を抱えて生きるということだ。最近、悟った。

昨夜のばんごはん:ミートボールパスタ

休校DAY 8

休校DAY 8
 本来であれば、今週ぐらいから新刊の告知がはじまるのに合わせてブログの更新をしようと計画していたんだけど、休校があって予定が狂って、こんなことになっている。まあ、いいや。私の人生は「まあいいや」が大変多いんだけど、仕方がないや、人間だもの。

 今日は一年ぶりに滋賀医科大学医学部附属病院心臓血管外科に行って来た。術後二年経過で、定期検診だった。心臓は元気そのものだった。二年前、退院直後の状態を考えると、たぶん25倍ぐらい元気になっている。入院中は機材を山ほど引っぱって歩いていたタリーズコーヒーにも今日は立ち寄った(心臓にペースメーカーがくっついてて、そのコードが体から出ている時期とか、いろいろあったんだ、そういえば)。非常に懐かしい。あのとき、週末のほとんど誰もいないタリーズで、病人用のパジャマ姿でコーヒー飲んでいたのは私ぐらいのものだったが、今になってわかる。きっと異様だっただろう(いくら病院内店舗とはいえ)。

 滋賀医科大学医学部附属病院に入院していたときのことは、新潮社の考える人で書かせてもらった。「心臓へたっちゃってますけど大丈夫」だ。書きたいことがいっぱいあって、次々と書いて、掲載してもらった(編集部のみなさん、ありがとうございます)。なんだかんだと、いろいろ書いているなあと思う。

 本を翻訳するのと平行して、「犬(きみ)がいるから」(亜紀書房Webマガジンあき地)で愛犬ハリー号との生活を書いたり、「村井さんちの生活」(新潮社 考える人)でも日々の暮らしのことを書いている。自分の人生に起きたことを、かいつまんで文章にしているといった感じかな。

 よく、村井さんの人生って忙しいですねと言われる。でもそのたびに、いやいや、人生ってだれにとってもハードモードですよね……と、考える。私は書いているからわかりやすいけれど、きっと、誰の人生にも、小さな、そしてときには大きな事件は起きている。喜びも悲しみも、同じく起きている。そうですよね?

 私がいろいろと書くのは、たぶん書くことによって、自分の人生に起きたさまざまなものごとを理解し、自分のなかで消化できるからなのだと思う。子どもの頃からのクセで、細かいことを細かく記憶し、細かく書き出す作業が好きだということもある。

 3月末発売の新刊は、またもや私の人生に起きた大事件を書いている。発生したのは、去年の年末、ちょうど『黄金州の殺人鬼 凶悪犯を追いつめた執念の捜査録』(亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅢ-9)のイベントを開催しているころだった。今思い出しても、強烈な日々だったけれど、同時に、書いて、書いて、書きまくった日々でもあった。語弊があるかもしれないが、充実していた。タイトルは『兄の終い』だ。兄ちゃん、終っちまって、ごめんな。

 宣伝で終わるのもなんなので、今日のわが家の様子をおしらせ。双子はダラダラとあまちゃんを見て、ゲームをして、宿題をしていた。小学生のTくんは今日もやってきて、私に「君、いいんですか? 休校中ですよ?」と言われても怯まなかった。しかし、双子に「今日は無理」と断られ、がっくりと肩を落として去る様子がインタフォンに映っていた。ごめんよ、Tくん。でもちょっと笑った。


昨日のゆうごはん:近江牛の薄切り(安いやつ)と、カット野菜を炒めたもの。ごはん。味噌汁。納豆。

休校DAY 7

朝、近所のパン屋さんにパンを買いに行く。助手席に愛犬ハリー号も乗せていく。途中、郵便局に寄って、ちょっとした用事を済ませる。

 パン屋さんに到着すると、いつもより菓子パンが多めだし、惣菜系のパンがたくさんある。これはもしや休校対策か? と思いつつ、お姉さんに聞いてみる。「どうです? お客さん、増えてます?」 お姉さんははっと気づいたような表情で、「そうですね、まあまあってところかな~?」

 「休校で突然お昼ごはんの支度をしなくちゃならないお母さんたちは大変ですよねえ、コロッケサンド、これ、助かると思いますよ~」などと言いつつ、トレイに載せた。2個。

「村井さんのところも、息子さんたち、家にいるんですよね?」と聞かれたので、「いますよ! おおっぴらにお友達とも遊べないし、部活もないし塾もないしで、毎日ゲームしてますよ」と言うと、「それ、みなさんおっしゃってますよ」と、お姉さん。「子どもが朝から晩までゲームしちゃうからどうしようって、みなさんおっしゃってますよ~。大変ですよね~」 

 ですよねーー!! 

 パンを買って家に戻ると、次男が起きてきた。パン、買ってきたよと言うと、すぐに食べはじめ、そして「『あまちゃん』は?」と言うのでさっそく見はじめた。アキがいいか、ユイがいいかで迷っている二人。そして、アキちゃんが種市先輩に恋するあたりで次男が耐えられなくなり、「ああっ、腹立つ! もう今日は見たくないわ、アキちゃんが恋愛とか無理やし!」 長男はそんな次男を見て、ニヤニヤ笑っていた。

 よくよく考えてみれば、私が十代のころ、私の情熱のすべてを動かしていたのは、恋であった。それが実在の人物だろうが、本の登場人物であろうが、ドラマの出演者であろうがどうでもよかった(私の場合、時代小説の登場人物であることが多かった)。憧れ、恋、そんなところがさまざまな文化的(?)活動の原動力だったような気がする。もしかして休校を有意義に過ごす意味で、これがヒントになるのか!? 恋か!? 母はいろいろと考えて、頭のなかが忙しい。

 午後になって、近所の小学生がピンポーンとインタフォンを鳴らした。「はい」と出ると、「あ、すいません、遊びに来ました」と言う。わが家にほぼ毎日やってくる4年生男児だ。双子に大変懐いている。

 「Tくん、昨今、新型コロナウィルスの件がいろいろとニュースになっていますけれども、君はそれについてどう思いますか?」とインタフォン越しに聞くと、クスクスと笑って、「ぼく、ちゃんと寝てますし、ごはん食べてますし、マスク持ってきました」と言うので、「ヨシ」と言ってドアを開けた。

 中学生と小学生と犬一匹は、窓を開け、マスク姿でWii Uカラオケをやっている。

昨晩のゆうごはん:サイゼ。パスタ、ピザ、サラダ、グラタン、ドリンクバー、その他。サイゼで5000円使ったの久しぶり……

 

休校DAY 6

 週末まで書かなくてもいいんじゃないか……? と考えつつ、まあ、いっか、と思って書いている。

 朝から冷たい雨だった。休校になって6日。相変わらず、中学生男子は家のなかでじっとしている(もちろんゲームをしている)。しかし、多少の変化は見えてきている。それは後半で書く。

 今日は、世界一エモい義父として私から思いきり(精神的)距離を置かれている義父サブちゃんと、義母ようこたんの様子を見に、二人の家まで行って来た。サブちゃん86歳、ようこたん、もうすぐ80歳。立派な後期高齢者であり、二人はすでにヘルパーさんやデイサービスのお世話になっている(365日休校のようなものだ)。しかし幸いなことに、二人ともまあまあ健康だ。さすがに車での外出は難しくなりつつあり、ヘルパーさんに買い物をお願いしたりしているが、週末はどうしても食材が足りなくなることがある。だから、私が何か買って持っていき、ついでに様子を見たり、お茶を飲んで話をしたりしている。

 家に到着すると、なんだか怪しい雰囲気だった。サブちゃんは私の顔を見るなり、やっときてくれたといわんばかりに立ち上がり、「ちょっとワシの話を聞いてくれ!」と言う。めっちゃ怒っている。どうも、直前まで二人で喧嘩をしていたようだ。顔を真っ赤にして激怒して、話しもめちゃくちゃだ。去年の夏に脳梗塞で倒れて三ヶ月以上入院し、ようやく退院してきたというのに、無駄に血圧を上げてどうしようというのだ。そのうえ、喧嘩の原因がめっちゃ下らない。

 そんな下らないことで喧嘩してどうします? 一緒に暮らしているんだから、いろいろあるに決まっているじゃないですか。もう少しお父さんも冷静になってくださいよ、冷静に。頼みますよ? と帰り際、車の近くまでやってきたサブちゃんに言うと、「うー……」と言っていた。

 うーじゃないだろ。

 は~まったく、どこもかしこも、めんどくさいなあ! と考えつつ家に戻ると、双子がダイニングテーブルに座って私の帰りを待っていた。なんだ、また腹でもすかせているのかと思ったら、「かあさん、今日も『あまちゃん』、見る?」と聞いてくる。

 オッ。私のあまちゃん作戦、もしかして成功しつつある……? いいねえ、あまちゃん見よう、さっそく見ようと答えてテレビのスイッチを入れた。結局今日は、5話ぐらいは見た。片桐はいりさん演じる「あんべ」ちゃんがとても可愛いと、双子はお気に入りのようだ。

 双子があまちゃんをケラケラ笑いながら見ている姿を眺めながら、私の両親が生きていたら、どんな老後を送っていただろうと、ふと考えた。

昨日の夕ご飯:オムライス、サラダ

 

 

休校DAY 5

休校DAY5
 週末を休校にカウントするかどうか迷ったけれど、まあいいか~。週末に書かなくてもいいんじゃないかと思いつつ、休校でダメージを受けているみなさんの3分の暇つぶしになればいいかなと思って、滋賀の山奥の状況をお知らせする。入校もできたしね(疲れた&ええ本じゃった)。

 昨日、せっかくの休みなんだから、何かひとつ一緒に成し遂げようと言う私に、妙に冷めた表情だった二人。「一緒にシリーズのドラマでも見ない?」と、妙なテンションで言う私に、次男はあきれ顔で「どうせ途中で辞めるやん」と言った。長男は、「えー、めんどくせー」と言った。

 次男の言う「どうせ途中で辞めるやん」は、思春期特有の反抗的な発言ではなく、今までの(私の)実績から出た正直な感想だったと思う。というのも、私は今まで何度も目を輝かせながら、息子たちにさまざまな提案をし、ことごとく途中でギブアップしてきた。それは息子たちの興味を維持できるコンテンツを私が用意出来なかったとか、そういうことじゃなくて、私がシンプルにギブアップしてきたのだ。とにかく時間がなかった。体力が続かなかった。ほら、また仕事だ、言い訳だ……と息子たちが言うようになったのは、これが原因でもあるだろう。ごめんな!

「どうせ途中で辞めるやん」と言われた私は、実はちょっとだけ傷ついた。傷ついたのがわからないように装ったけれども、たぶんバレていたと思う。出来れば、いろいろなことに付き合ってくれ、楽しい休みにしてくれるやさしい母……というイメージを息子たちには植え付けたかったが、実際のところは、なんでも途中で放り出す母というイメージしかないだろう。ごめんな、ほんと。

 傷つきはしたものの、それでも昨日の私はあきらめなかった。「まあ、そう言わないで、ちょっと見ようよ」と言って、『あまちゃん』を5話ぐらい一緒に見たと思う。すごく面白かった。この子かわいいよね、この音楽いいよねと、息子たちも喜んでいた。

 そして今日だ。お昼すぎから『あまちゃん』を見ようと約束していたので、朝6時に起きて原稿を直しはじめたものの、午後1時になっても終わらない。「ドラマ、もうちょと待ってくれる?」と言うと、「何時まで待てばいいの?」と次男。「3時ぐらいかな」とブルブル震えながら返すと、「ええっ、3時まで?」という声。かーなーり、辛くなってきて、「ごめん、待ってくれなくてもいいよ。今日はまだまだ終わりそうもないから、また明日にしよう。それに、嫌だったら無理に付き合ってくれなくてもいいんだよ……あるいは、もし見たいって言ってくれるんだったら、それはうれしいけれども……」と、英語の構文みたいな返事をしてしまった。翻訳文体か。

 すると次男は私のところまでやってきて、「俺は、母さんと一緒に見るのは嫌じゃないよ」と言った。次男は怖くなるほど核心を突く子で、すべてを見ている子で、私の悪いところをはっきりと指摘する子だが、きっと、私を傷つけることを誰よりも怖れている。あなたの勘違い、全然違うと言われてしまうかもしれないが、私はそう感じている。

 結局、16時頃に作業が終わり、息子たちと一緒に『あまちゃん』を見た。今日は6話ぐらい見た。すごく面白かった。

夕べのばんごはん:ハンバーグ、味噌汁

休校 DAY4

休校DAY 4
休校四日目となった。先は長い。それしか言えねぇ。

今日は、早朝からずっと原稿の整理をしていて、先ほどまるごと一冊、すべての翻訳が終わった(その間に、二人の朝食を作り、宿題を監視し、犬に餌をやり、洗濯を2回している)。疲労感max。

訳した本はシングルマザーの葛藤を描いた一冊で、痛快だった。アメリカと日本ではシングルマザーを取り巻く環境は大いに違うようだが(支援システムその他もろもろ)、根本のところには共通する悩みがあるようだ。シングルマザーが自分の楽しみや愛を追求すると、途端に風当たりが強くなるのはなぜだろう。政府の支援に頼ることが甘えと見なされるのはなぜだろう。シングルペアレントになる、ならないに関わらず、支援される側に回る可能性は、誰にでも常にあるはずなのに。

さて、本題である。息子たちのコロキュー(新コロナウィルス蔓延防止のための休校)四日目である。昨日、息子たちは私に言われて渋々宿題などをしていたが、おおむね、だらっとした一日を過ごした。次男は漢字が苦手なこともあって、ダイニングテーブルの上に漢字プリントを広げて、嫌そうに(本当に嫌そうに)、漢字の練習をしていた。私が作業をしている場所の、ちょうど後ろ側になる。5分もすると、(;´Д`)ハァというため息が聞こえてきて、30分もすると、チッという舌打ちが聞こえてくるようになった。

まったく嫌になってくる。

それでも、私は怒らずに、こう提案した(14年も親をやっていると、徐々に学んでくるのは本当だ)。「宿題やめて、ドラマでも一緒に見ない?」と。

子どもに腹を立ててはいけないと思ったのではない。急な休校で割を食ってるのはこの子たちなんだから、優しくしてあげなくちゃとか、そんなことを考えていたわけでもない。対立すると自分が辛いのだ。だから、喧嘩にならない方法を選んだ。息子たちは大喜びした。

ドラマって言っても、長いドラマは中学生の根気が続かない。それは経験上、よく知っている。どれだけ素晴らしいコンテンツであっても、小一時間見続けるにはそれなりの練習が必要で、今回の休校みたいに突発的に降ってわいたような一ヶ月ではなかなか難しいものがある。ということで、NHKの朝ドラビンジである(not ステマ)。

Amazon Prime VideoチャンネルのNHKオンデマンドに入ると、一ヶ月1000円ぐらいで、びっくりするほど大量に朝ドラを見ることができると気づいたのだ(not ステマ)。ついでに過去の時代劇や大河ドラマも見放題だ。これは私がうれしい。

結局、私たちは「あまちゃん」を選んだ。

息子たちは三陸の海を見ながら、ウキウキしている。「あまちゃんかわいい!! じぇじぇじぇ!!!」と大騒ぎしている。ここに行きたいなあ! と息子たちに言われると、確かに行きたくなってくる。この勢いだと、たぶん最後まで見続けるだろう。

いいのかな、こんなことで。復習しなくていいのかな、本当に。でも同時に、こうやって三人+犬で横に並んでテレビを見る時間は、これから先、そう多くもないだろうと考える私もいる。


昨日のゆうごはん:薄切りの豚肉とほうれん草の鍋。最後にうどん投入。ごまポン酢で。

休校DAY 3

休校 DAY 3
疲労感すごい。朝起きた途端に疲れているのはなぜ……?

昨日、中学生男子2名は家から一歩も出ることはなく、一日中家の中で過ごしていた。私は、遅れている仕事をどうにかして片付けなくてはならないので、申し訳ないが今週は放置させて頂く予定にしている。だって本当に、早くここから抜け出さないと、つらくてたまらないだもん(仕事の話)。やってもやっても追いつかない。毎日、気ばかり焦る。ひとつ締め切りを抜けると、次があっという間にやってくる。なんか売れっ子みたいなことを書いているが、本当の売れっ子は私の10倍ぐらいは書いているらしいよ。スゲーな!

窓から外を見ると、確かに人通りは少ないように思える。まあ、そもそも人が少ない地域なんだから、通常運転なんじゃないか? と思いたい。子どもの姿も見えない。みんな何をしているのか……? その答えは息子たちを見れば明らかで、彼らはLINEやオンラインゲームを通じてずっと繋がっている。

長男と次男には共通の友達も多いので、みんなで仲良くゲームをしながら(オンラインで)ワイワイ盛り上がっていて、母はそんな彼らを放置しつつ、仕事に励んでいる。しかし、そんなゲームが一段落したところで、次男から長男へのダメだしがはじまると、母は気が気でない。いつもそうだ。大人しい長男が次男に責められるのを聞くのが、大変苦痛だ。

お前な、あんな話しかたしたらアカンやろ。もっと、ひとの気持ちを考えて話せよ。
お前なあ、あんな言い方ないやろ? あんなに突然ゲーム辞めるとか言い出すの、あれはアカンで。ドン引きや。もっとちゃんと考えろや……

そう言われ続ける長男は、困った顔をして、うん、うん……と聞いている。もう少し練習してからやろうと思ったんや、そんなつもりではなかったんや、ちょっとわからなかったんや……困った顔で説明する長男を見ると、心が張り裂けそうになる。

でも同時に、次男のこういう遠慮なしのダメだしが、長男を鍛えていることもわかっている。親にはできないことを、次男がやっているのもわかっている。大人しくて、引っ込み思案な長男を、常にグループに引き入れるのが次男だともわかっている。長男に対して、誰よりも本当は優しいのが次男だということも知っている。だから母は、パソコンに向かいながら、ぐっと我慢する。これもすべて、彼らが社会に出るための練習なのだと思いながら。

夜中、仕事を終えて二人の寝室に行くと、長男がベッドに横になりながら目を開けて、天井を見つめていた。どうしたの? と聞くと、いやべつに、なんでもないよと言って、毛布をかぶった。次男は、ガーガーといびきをかきながら、私が先日長男に買ってやった羽毛布団を長男から引っ剥がして、自分がかぶって思いっきり寝ていた。27センチになったでっかい足が、羽毛布団からはみ出していた。

昨日のゆうごはん:豚バラ肉とタマネギのポン酢炒め。味噌汁。ポテトグラタン。

休校 DAY 2

休校DAY2 軍資金確保
とりあえず、あまりない時間を工面して、子どもの休校で生活が一変した翻訳者の叫びを滋賀県奥地からお届けし続けようと思います(続く限り)。

おはずかしい話だが、昨日、細々と貯めていた秘密預金を引き出してきた。休学になり、中学生男子二名が朝から晩まで家で食べることの恐ろしさをじわじわと感じはじめたため、軍資金をとりあえず確保してきたというわけだ。すべてカードで払ってもよかったのだけれど、おこづかいを求められたとき、「コンビニで何か買ってきて!」「パン屋に行きなさい!」とお使いを頼むときに必要だし、中学生との生活は突然の現金が必要になる場面が多い。お財布の中には千円しかなかったし、邪魔にはならないだろうと引き出してきた。たった2万円ですけど。

実は去年の年末、私史上かつてないほどのピンチに見舞われ(二年前の弁膜症もピンチだったけど)、そのため、預金が空っぽになるほどのお金が飛ぶように出て行った。私が必死に働いて稼いだ分が、一瞬にして消えた。そのダメージから完全に立ち直れていない私の口座は、この休校騒ぎで再びダメージを負った状態だ。しかし、そんなことでもなければ、この状況では朝から晩まで働くことはできないよなあ……(つらい)。

結局昨日は、ヨレヨレになりつつ仕事をしていた私を見た長男がリビングにやってきて、「宿題やるわ」と言いつつ、塾の宿題をやりはじめた。長男は静かな子で、おまけに大変律儀なので、決まった時間に決まったことを決まった分だけ淡々とやることができる。その姿を、耳にイヤホンを突っ込んで、今の僕にはなにができるの? と大声で歌っていた次男が見て(勉強だろ)、「俺も宿題やるわ」と言いだした。えっ、いま、私、奇跡を目撃してる?

私はたぶん、何か勘違いをしていたのだと思う。私は自分が子どもに対して、何かできるのだと思っていた(この休学期間においても)。私が動くことで、彼らも動き、私が学ぶことで、彼らは学び、私が信じることで、彼らも信じるのだと思っていた。きっと、両目にハートを浮かべながらそう考えていたのだと思う。

でも、私には絶対に消えない記憶がある。13歳の自分が、学校の廊下で手を洗いながら、前にあった鏡に映った自分の顔を見ていた記憶だ。私は自分の顔を見つめながら、私はこのままで、大人になっても絶対に変わることはないと確信した。もしかしたら14歳の時だったかな。中二だったような気がする。その瞬間、私は両親から遠く離れた場所まで自分が飛んで行ったような気がしたのだ。

そしてその瞬間から、私は本当に変わっていない。あの頃のままだ。あの時から、私は親の言うことに耳を傾けながらも、自分を曲げることはなかったような気がする。親に頼りながらも、最後の最後は譲ることがなかったような気がする。目をつぶってあの頃の自分に戻って、そして改めて、私が彼らにしてあげられることは、そう多くはないだろうと確信した(安心できる生活を提供する以外で)。彼らが私のあのポイントをすでに過ぎていれば、なおさらそうだろう。

休校のことだけ考えればよかったはずなのに、いつの間にかもっと広いことまで考えるフェーズに入ってしまった。そんなことをしている時間はない。やること山積。今日もがんばる。

昨日の仕事:念校チェック、訳校チェック

昨夜の夕食:マクドナルド